社会課題

社会的養護とは?

社会的養護とは、家庭で適切な養育を受けられない子どもを、社会が代わって保護・養育する仕組みの総称です。 児童養護施設・里親家庭・ファミリーホームなどが含まれます。

主なポイント

  • 虐待・貧困・親の病気など、家庭で暮らせない事情を抱える子どもを保護
  • 日本では 23,486人 が施設で生活(厚労省)
  • 入所理由の 71.7%が虐待(厚労省)
  • 42.8%が何らかの障害を併せ持つ

ケアリーバーの現状

ケアリーバー=社会的養護を離れ、自立を求められる若者(多くは18歳)

現状データ(全国児童養護施設 退所者トラッキング調査2025)

  • 調査対象:全国577施設、回答3,445人(B4S)
  • 措置延長(19歳以降まで支援を受ける)は10年で2倍に増加
  • 大学進学率は伸び悩み(2023年度以降)
  • 高校卒業後に正社員就職した若者の 約半数が1年以内に離職
  • 早期退所者(18歳前に退所)の高校中退率は 47.7%(通常退所の約30倍)
    参考:特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル(B4S)「全国児童養護施設 退所者トラッキング調査2025」

退所後の課題

① 住まいの不安

  • 保証人不在で賃貸契約が難しい
  • 親族宅に戻る割合は減少傾向(B4S)

② 経済的困難

  • 生活費・家賃・学費をすべて自分で負担
  • 現金給付を行う施設は14%と少ない(B4S)

③ 就労の不安定さ

  • 正社員でも 約半数が1年以内に離職(B4S)
  • 退所後の生活に必要なスキルが不足しがち(文献レビュー)

④ 孤立・相談相手の不在

  • 支援者とつながりが途切れやすい(厚労省2021調査)
  • 5人に1人は支援を受けていない状態に陥る(厚労省2021調査)

なぜ支援が必要なのか?

理由1:18歳で突然「完全自立」を求められる

一般家庭では20代半ばまで家族の支援があるが、ケアリーバーは 18歳で生活・仕事・住まいをすべて自分で管理する必要がある。

理由2:制度の「切れ目」が大きい

  • アフターケア担当職員が不在の施設は 1割(B4S)
  • 支援頻度は年1〜2回が40%と少ない(文献レビュー)

理由3:孤立が深刻化しやすい

  • 退所後に支援者と連絡が途切れやすい(厚労省2021)
  • 孤立は就労・住居・メンタルの悪化につながる

理由4:社会全体の理解不足

  • 偏見や特別視を感じる退所者が多い(文献レビュー)